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by 5wgdcctptd

足利事件再審 判決要旨(1)(産経新聞)

 「足利事件」の再審判決公判で、宇都宮地裁が26日言い渡した判決の要旨は以下の通り。

 主文 被告人は無罪。

 理由 第1 本件再審公判に至る経緯等

1 本件確定審が認定した事実は概要以下のとおりである。

 被告人は、(1)平成2年5月12日午後7時ころ、栃木県足利市伊勢南町9番地3所在のパチンコ店「ロッキー」の南側駐車場において、松田真実(当時4歳)が一人で遊んでいるのを認め、同児にわいせつな行為をする目的で同児を誘拐しようと企て、同児に対し、「自転車に乗るかい。」などと声をかけて自己が運転する自転車の後部荷台に乗車させ、自転車を運転して同所南側にある渡良瀬運動公園に入り、同公園内の道路を走行して、同公園内サッカー場西側角付近の三差路に自転車を止めて同児を降ろし、同所から30メートル余り南西にあり同公園からは見えにくい位置にある、同市岩井町字大柳下225番地付近の渡良瀬川河川敷内低水路護岸上まで、役600メートルにわたり同児を連行し、もって同児をわいせつの目的で誘拐した。

 (2)前記日時ころ、同児にわいせつ行為をすると騒がれて人に気づかれるおそれがあるからわいせつ行為をする前に同児を殺害しようと考え、同所において、同児の全面にしゃがみこむようにした上、殺意をもって、やにわにその頸部(けいぶ)を両手で強く絞めつけ、その場で同児を窒息死させて殺害した。

 (3)同児の死体を付近の草むらまで運んで全裸にし、同日午後7児30ころ、その死体を、前記殺害場所から直線距離にして南西役94メートル離れた渡良瀬川河川敷内の草むらに運んで捨て、もって死体を遺棄した。

2 確定審判決に至る経緯

 (1)確定審記録によると、本件の概要は以下のとおりである。

 ア 半袖下着の発見とDNA型鑑定の実施

 平成2年5月12日土曜日、本件被害者である松田真実(以下「被害者」という。)が、栃木県足利市伊勢南町9番地3所在のパチンコ店「ロッキー」付近で行方不明となり、翌13日午前10児20分ころ、ロッキーから約400メートル南方の渡良瀬川河川敷の草むらの中で、全裸の遺体となって発見された。付近の川底から、被害者が着用していた半袖下着(以下「本件半袖下着」という。)やパンツが発見された。

 警察庁科学警察研究所は、平成3年8月27日から同年11月25日まで、本件半袖下着に付着していた体液と、菅家氏がごみ集積所に息したポリ袋内にあったティッシュペーパーに付着していた体液について血液型鑑定およびいわゆるMCT118法によるDNA型の鑑定(以下「本件DNA型鑑定」という。)を行った。

 イ 本件DNA型鑑定の経過および結果

 DNA型鑑定は、細胞の核の中にある染色体内にある二重らせん構造をした遺伝子(DNA)のアデニン(A)、シトシン(C)、グアニン(G)、チミン(T)という4つの塩基の配列が個人によって異なり、終生変わらないことを利用し、その塩基配列によって異同識別を行うものであり、MCT118法は、ヒトの第1染色体に位置し、ACGTの4つの塩基が16個を一単位として繰り返しているMCT118という部位を対象としてDNA鑑定を行うものである。

 具体的には、本件半袖下着の後部(背中側)表面の2カ所および菅家氏が遺留したティッシュペーパー2枚について、精子を確認し、蛋白(たんぱく)除去等の処理を行った後、MCT118プライマーでPCR増幅を行い、それをDNAラダーマーカー(123bpマーカー)とともにポリアクリルアミドゲルで電気泳動をかけて分離を行い染色処理をする方法で鑑定を行った。判定は、DNA解析装置を使って泳動写真のネガフィルムをコンピューターで画像解析し、それぞれの泳動距離から塩基配列の反復回数を算出するという方法で行った。

 その結果、各体液のDNA型はいずれも、MCT118型が16−26型で同型であった。また、血液型検査については、いずれもB型のLe(a−b+)型:分泌型となった。そして、このような血液型およびDNA型を持つ者の出現頻度は、鑑定時までに明らかになっていた出現頻度を基に計算すると、16型の出現頻度が4.7%、26型の出現頻度が8.9%で、16−26型の出現頻度は、0.83%と算出され、血液型の出現頻度も併せると、結局、日本人の中で0.1244%、つまり1000人中1.2人程度であると算出された。

 ウ 菅家氏の供述経過

 平成3年12月1日、警察官が菅家氏を任意同行して取り調べを行ったところ、菅家氏は当初本件への犯行を否認したものの、同日夜に至って、本件犯行を認めたため、翌2日未明、被害者に対する殺人、死体遺棄の被疑事実で通常逮捕された。その後も、菅家氏は、本件各犯行をいずれも認め続け、同月21日、被害者に対するわいせつ誘拐、殺人、死体遺棄の各公訴事実について宇都宮地方裁判所に起訴された。

 菅家氏は、平成4年2月13日第1回公判期日において、本件各公訴事実をすべて認めたが、同年12月22日に行われた第6回公判期日の被告人質問中、本件各公訴事実について否認するに至った。しかし、平成5年1月28日に行われた第7回公判期日において、再び本件各公訴事実を認める旨が記載された上申書などが取り調べられた上、同期日における被告人質問において再び本件各公訴事実を認めるに至り、その後本件を認めたまま一度は結審した。しかし、その後菅家氏は、同年5月31日付の弁護人あての手紙で本件各公訴事実を否認するに至り、同年6月24日に行われた弁論再開後の第10回公判期日において、菅家氏は再び本件各公訴事実を全面的に否認する供述をし、最終陳述においても本件各公訴事実を否認して結審した。

 (2)平成5年7月7日に宣告された第一審判決は、(1)本件DNA型鑑定、(2)菅家氏の自白の2つを主な証拠とし、その他、遺留されていたパンツに付着していた陰毛と菅家氏の陰毛の形態が類似していたこと、菅家氏の性向、土地勘などの諸事情から、菅家氏が犯人であると認定した。そのうち、本件DNA型鑑定および菅家氏の自白について判決が述べるところは概要以下のとおりである。

 ア 本件DNA型鑑定について

 まず本件DNA型鑑定の証拠能力および信用性について、MCT118型による鑑定方法は歴史が浅く、その信頼性が社会一般により完全に承認されているとまではいまだ評価できないが、その鑑定方法は科学的な根拠に基づいており、警察庁科学警察研究所の専門的な知識と技術および経験を持った技官が適切な方法により行ったと認められ、その証拠能力は認められる。また、鑑定結果の信用性に疑問を差し挟むべき事情もうかがわれず、本件DNA型鑑定の結果は信用することができる。出現頻度に関する数値については、今後より多くのサンプルを分析することで多少の変動が生じる可能性はあるとしても、おおむね信用できる。

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by 5wgdcctptd | 2010-03-29 13:17